私の趣向に合せて、ノーリー回しに的を絞って解説したいと思います。
その1で紹介した「360°+αの要素」で回す方法は、あくまで精度の高い基本動作ができていることが前提の話です。
そうでなくては本当に運やタイミングが合った時のみしか回せず、100%540°を回せるようにはなれません。
その1でも書いたように180°が100%できるレベルでなければ360°はできないし、360°が100%できなければ540°はできるようにはなりません。180°しか回せない人が偶然540°回せるという飛び級はあり得ないことなのです。
グラトリ道に王道はありません。
ではどうしたら100%回せるようになるか。
180°が回せるようになった人はわかると思いますが、回そうと思えば100%できるはずです。360°ができるようになった人も同様、できるはずです。
頭と体が動作を覚えれば、一度できれば(マグレでない限りは)大抵できるようになります。
だから当然540°も100%回すことは可能なはずです。
どういう条件で回せる、回せないが決まるのでしょうか?
これを研究していくうちにあることに気がつきました。
・360°は動作の精度が低くても、ある程度の条件さえ満たせば回せてしまうこと。
・当然180°はさらに条件がゆるく、精度が低くても回せること。
そしてその条件とは
・正しい回転軸を作る
・正しいオーリー、ノーリーをかける
・一定以上のスピードで離陸する
・一定以上の回転スピードを作る
・旋回時一定以上の遠心力をかける
・タイミングよくスムーズ(ワンモーション)に動作する
例えば、180°はこれらのうち2個以上を満たしていればできてしまうようですが、360°は3つ以上満たしている必要があるようです。
物理的には ・ ・ ・
ある物体が重力がなく、空気もない場所に飛び出した場合、物体は飛ぶ前に加えられた力と方向へずっと運動を続けるそうです。
たとえば、スピンして飛び出したら、ずっとスピンし続ける・・・
これを慣性の法則といいますが、もちろん地球上でそんな条件はあり得ないので、当然、飛び出せば重力等で地面に押し付けられるし、空気抵抗等で回転力は次第にコマが止まる様になくなっていきます。
では、より多く回転させるためにはどうしたら良いでしょうか?
自然の法則は変えられないので、自然の法則に限りなく忠実に、かつ上手に利用することで、それは可能になります。
ここでの重要な点は自然の法則に逆らわないことです。それは突き詰めていけばロスを少なくすることを意味します。
上であげた6つの条件は全て満たすことができればスピンをする上で、自然の法則を生かしロスは限りなく少なくなるということです。これ以外の余分な動作をやってはいけないことは大前提ですが。
端的に言えば無駄を省くということになります。
ロスを積極的に意識しコントロールできれば、物理現象として誰でも540°は回せるということが言えるでしょう。
360°のところでも説明しましたが、
360°は180°(スライド)+180°(ジャンプ)でできるので、
540°は180°(スライド)+360°(ジャンプ)で可能です。
360°ジャンプは板を履かない状態で、普通に人が飛べば簡単に回せるので、当然ロスのない自然な動きさえできれば540°は誰でも基本的に回せる回転数であるわけです。ある意味途中で止めなければいけない360°の方が難しいとも言えるでしょう。
上記の4つ以上の条件が揃えば、540°は回せます。
実例を挙げると、
○軸を作ることを重視するなら・・・
・正しい軸を作る(第1ポイント!)
・一定以上のスピードで離陸する
・一定以上の回転スピードを作る
・タイミングよくスムーズ(ワンモーション)に動作する(第2ポイント!)
○高さ重視で回すなら・・・
・正しいオーリー、ノーリーをかける(第1ポイント!)
・一定以上のスピードで離陸する
・一定以上の回転スピードを作る
・ タイミングよくスムーズ(ワンモーション)に動作する(第2ポイント!)
○遠心力を付加して回すなら・・・
・一定以上のスピードで離陸する(第2ポイント!)
・一定以上の回転スピードを作る
・旋回時一定以上の遠心力をかける(第1ポイント!)
・タイミングよくスムーズ(ワンモーション)に動作する
○また360°で説明したノーリーを使わない回し方で回せる場合の条件は・・・
・正しい軸を作る(第2ポイント!)
・一定以上のスピードで離陸する
・一定以上の回転スピードを作る(第1ポイント!)
・旋回時一定以上の遠心力をかける
といったところでしょうか。
これらの組み合わせで回せることが確認できています。他にも沢山組み合わせは考えられると思います。
この中で一番簡単なのは一番最初の4つです。一定以上のスピードで離陸する、一定以上の回転スピードを作るの2つの要素は特別意識しなくても良いです。特にスピードはジョギング、スキップするくらいの低速でも可能です。そのかわり正確な軸を作ることを心がけなければなりませんが、基本さえ整えば脱力してできます。むしろ不要な力は必要ありません。ちなみに540°の動画はこの飛び方です。