360°とは飛んで1周回るトリックです。 回転方向がOS、BSの2種、跳躍方法がオーリー、ノーリーの2種でおおまかに4種類に分類できます。 (跳躍方法には両足とびやエッジひっかけ系はカウントしてないです。) 今回はOSのオーリー、ノーリーの解説をします。 OSオーリー360° ○この技を習得する上で前提となる技術 ・オーリー180° グラトリのオーリー360°は基本的に90°(地上)+270°(空中)でできていると考えると分かりやすいです。 90°をテールスライドし、オーリーで跳躍し270°回して360°までもっていきます。 やり方(レギュラーからOS方向へ360°) @自然に体を進行方向に開き、オーリーのために膝を落とし準備する。(なるべく深く) A90°スライドで回す。 B上半身を回転方向(背面側)に180°回すつもりで思いっきり先行回転させる。 (振り向く感じで上体はそのまま維持) Cオーリーで跳躍。腰を引き上げる。 D膝をできるだけ引き上げる。(胸に膝があたるくらいひきつける) E先行している上半身の向きに下半身が追いつく。(下半身を無理に回したりしない) F衝撃を膝で緩和しつつ両足で着地。(着地はトゥエッジで行うこと) Gレギュラー滑走。(なにもなかったかのように颯爽と) 基本はオーリー180°です。ポイントは180°の時と同じくAとBにあります。 Aではとにかく思いっきり振り向きます。振り向く手前で既に90°回していて良いです。そこから180°振り向けば上半身は270°まで回っているので、オーリーをかければ下半身も270°まではついてきます。(ここらへんは180°の解説を参照)あとはもう90°ドライブさせても良いですし、ビタ着が目指せればなお良いでしょう。どちらにしても回りから見れば360°回せているように見えます。ただし少なくとも270°までは達していないと、360°には見えないかもしれません。 Bのオーリーについてはできるだけしっかりかけてください。270°までもっていくには、上半身の回転リードの方が重要なので、Aがしっかりできていれば、オーリーの跳躍が少々足りなくても、回せてしまうでしょう。でもビタ着までもっていくにはある程度頑張って飛ばないといけなくなります。そのためにオーリーはできるだけ頑張って跳んで下さい。その加減はどのくらいかといえば、25cmも浮けば360°までもっていけるくらいです。 あと、注意点とすれば着地はトゥエッジで行い回転を止めることです。おそらく初めて360°をやる場合、回転しすぎるということはなく、むしろ回転が足りない場合が多いと思いますが、 惰性で回ってしまうこともありえるし、ヒールエッジ側ではエッジがかからずすっぽ抜けてしまうと怪我をしかねませんので。 OSノーリー360° ○この技を習得する上で前提となる技術 ・ノーリーピボット180° 基本はノーリーピボット180°です。ピボットでは90°(地上)+90°(空中)で良かったですが、今回は90°(地上)+270°(空中)で完成となるため、より強い回転力と板の弾きが必要になります。 またノーリー360°には別の回し方もあります。(詳しくは後述、番外編参照。) やり方(レギュラーからOS方向へ360°) @自然に体を進行方向に開き、ノーリーのために膝を落とし準備する。(なるべく深く) A90°スライドでまわす。 B上半身を回転方向(背面側)に90°回すつもりで先行回転させる。 (振り向く感じで上体はそのまま維持) C後ろ足を回し蹴りの要領で引き上げつつ、ノーリーで跳躍。腰を引き上げる。 D膝をできるだけ引き上げる。(胸に膝があたるくらいひきつける) E先行している上半身の向きに下半身が追いつく。(下半身を無理に回したりしない) F衝撃を膝で緩和しつつ両足で着地。(着地はトゥエッジで行うこと) Gレギュラー滑走。(なにもなかったかのように颯爽と) ポイントですが・・・ Bの時、オーリー360°のように無理やり上半身を回さなくて良いです。かるく先行させる程度で。 Cがノーリー360°の要となる動作です。ここで回転力と跳躍力を得る二つの動作を同時に行います。回し蹴りからノーリーを回転を殺さないようスムーズに行います。これがバラバラになると回るだけで弾けないとか、弾いても回転が足りないという結果になります。ですので一番重要なのはタイミングです。 回し蹴りはノーズに加重をかけて、後ろ足がフリーになった状態で行います。動作としては回し蹴りと同じ要領ですが、イメージとしては板ごと足を180°くらいブン回すつもりでやって下さい。 弾いて25cmも浮けば、オーリー360°と比べて回転力が得られやすいので余裕で回れるでしょう。 タイミングの覚え方はピボットと同じなので、繰り返し練習し体に叩き込みましょう。またピボットのところでも紹介した斜滑降での練習は360°でも可能なので、ここから練習をはじめてみてもいいかもしれません。 ちなみに各動作の強さを変えて、例えば、回し蹴りをあまり行わずに、上体の先行を少し強めにして、板を弾くことを強く意識しても回せるでしょう。 ここらへんは人それぞれの好みによりけりです。 また、180°をフェイキーからやっている人はフェイキーから回すようにしてみたりとか、 うまく回せない人はこういう点も意識して、いろいろ試してみて下さい。 ☆コツと注意点☆他 ☆回転が足りない、回しきれない 上半身の先行回転が足りないものと思われます。回れない原因はオーリーの高さよりも回転力である可能性が高いです。 他の改善方法としては最初のスライド90°を90°〜180°まで増やしてみるというのがあります。 スライドを増やせばそれだけ回転角度が稼げます。(本来ではないですが、見た目はそう変わりません。) ☆Q.360°はオーリー、ノーリーどちらがやりやすいの? 滑走時、誰でもテール側への加重の方がしやすいので、オーリーの方がとっつきやすいはずです。 ノーズ加重は最初は必ず恐怖が伴いますので・・・。 ただしオーリーは上半身をめいっぱい回して、オーリーも頑張ってかけなければいけないので、 頑張ってるというのが回りから見えてしまうというカッコ悪い??面もあります。 ノーリーは一旦できてしまえば、そんなに力まなくてもちょっとしたきっかけで回ってしまう上、小回りなオーリーに比べて、動きが大きくアピールできます。 結局できるようになれば好みによるということになってしまうでしょう。 ☆Q.板は柔らかい方がやりやすいの? オーリーのところでも解説しましたが、柔らかい方がしならせる感覚はつかみやすいです。 だからオーリーにしても、ノーリーにしても適度に柔らかい方が360°は回しやすいでしょう。 ただし、もちろん硬くても回せるし、硬いなりの回し方というのもあります。 それについては下記、反発を使わない360°の回し方を参照して下さい。 番外編 ○反発をほとんど使わない360°の回し方 グラトリで、高く飛ばす、回転が速く板が雪面スレスレを水平に回る360°をやってる人を見かけたことがないでしょうか? よく言えばスタイリッシュに見える、あの回し方について紹介します。 基本的にノーリーに似た動作になります。(理論的にはたぶんオーリーでもできそうな気はしますが?) 特に「こんな硬い板じゃ踏めなくてノーリーなんかできねーよ」という人におすすめです。 やり方(レギュラーからOS方向へ360°) @体を進行方向に開かず、完全に横乗りでノーリーのために膝を軽く落とし準備する。 A後ろ足を回し蹴りの要領で引き上げずに板を角度0から一気に180°以上回すつもりで、軽いノーリーでブン回す。板を回した直後、上体を180°回転方向へ捻りこむ。 B軽く膝を引き上げる。 C先行している下半身の向きに上半身が追いつく。(上半身を無理に回したりしない) D回転の勢いを膝で緩和しつつ両足で着地。(着地はトゥエッジで行うこと) Eレギュラー滑走。(なにもなかったかのように颯爽と) ちなみに動画の360°はこの回し方です。 動作の基本はノーリー360°と似ていますが、回転力の得かた、跳躍の仕方が違ってきます。 この回し方は鋭い回転力が生じるため、うまく体裁きができないと怪我の危険性もあるので気を付けて下さい。 ポイントは@、A、C、Dです。 @では普通のノーリーと違い、体を回転方向へ開かずにむしろギリギリまで我慢して下さい。若干膝を落とした方がいいですが、膝を伸ばしたままでもできます。 A足を上体よりも先行して一気に180°回します。この一気に回すのがキモです。これが失敗すると中途半端な回転になってしまいます。この回し方は回転力が命なので、角度0°から思いっきり回します。この時、雪面と板がなるべく平行に回るようイメージして下さい。高く飛ばなくて良いです。板が回転を始めたら、上半身は回転の抵抗にならないよう、その勢いに合わせ遅れないよう捻って下さい。 C今回の回し方は両足180°のところでちょっと説明した、板に回転力を与える方法の1つです。通常は上半身が先に回転し、下半身がそれに追いつくという上体先行で回しますが、この回し方は下半身を先に回し、上半身がそれに追いつくという動作です。 D強い回転力をうまく抑えないと、着地してもそのままスライドして1回転以上回ってしまうでしょう。 エッジと膝を上手く使って回転を抑えつつスタイリッシュに着地して下さい。 ちなみにこの回し方はノーリーをかければかけるほど回転力はなくなるので、基本的に回転力と高さの両立はできないと思った方がいいと思います。両方のバランスをうまく調節すれば、540°までは回せるのでチャレンジしてみるのもいいかもしれません。 以上で360°の解説を終わりにしたいと思います。 応用次第ではよりトリッキーに見えるBS360°もできるようになると思います。 (BSオーリー360°でビタ着はちょっと難しいかも・・・) いろいろ研究してみて下さい。