540°について
540°は1周半、飛んで回るトリックです。
近頃は360°から540°の壁を破り、パークでかましてる人も多くなりましたね。
360°と同じく回転方向がOS、BSの2種、跳躍方法がオーリー、ノーリーの2種でおおまかに4種類に分類できます。スイッチスタンスも含めると倍の8種類になり、360°で解説した高く飛ばない回し方で回せる可能性を含めればさらに細かな分類ができるところですが、省略し基本的なOSのオーリー、ノーリーの解説をしたいと思います。
なお、今回の解説内容については、すでに360°回せる人向けの応用的な内容に的を絞らせてもらいました。
そのうちパート2として、「誰でも回せる5の回し方」やパート3として最新の研究成果である「基本から技術を見直し可能にする540°以上の回転」についても解説をする予定です。
OSオーリー540°
※動画はフェイキーの540°です。
○この技を習得する上で前提となる技術
・オーリー360°
オーリー540°は180°(地上)+360°(空中)でできていると考えると分かりやすいと思います。
180°近くをテールスライドさせ、オーリーで跳躍し360°回して540°までもっていきます。
・・・と知ったか解説しているけど、実はやったことがないよー。ていうかやろうとしたことがまだないです。(だって、オーリー系はすごい一所懸命やんないといけないから。メンドくさい。)
やり方(レギュラーからOS方向へ540°)
@自然に体を進行方向に開き、オーリーのために膝を落とし準備する。
(なるべく深く)
A150°くらいスライドで回す。
B上半身を回転方向(背面側)に270°回すつもりで思いっきり先行回転させる。
(振り向く感じで上体はそのまま維持)
C 180°回ったあたりで、オーリーで跳躍。腰を引き上げる。
D 膝をできるだけ引き上げる。(胸に膝があたるくらいひきつける)
E 先行している上半身の向きに下半身が追いつく。(一番高い位置で270°回っている)
F 衝撃を膝で緩和しつつ両足で着地。(着地は90°以内のドライブでも可)
G フェイキー滑走。(なにもなかったかのように颯爽と)
オーリー360°ができるレベルの人にあまり詳しい解説は必要ないと思います。
要はスライドで回転をかせぎ、とにかく思いっきり回すだけです。
ただ、180°以上スライドさせてからオーリーかけると回転力をロスしてしまうので、オーリーの動作を全て済ませておいて、離陸するのがジャスト180°が理想的だと思われます。
このトリックはビタ着がかなり難しいので、離陸前と離陸後である程度回転を稼ぐ必要がありますが、できるだけクールに見せるには、やはり離陸前のスライドを少なくする必要があるでしょう。
もちろん、オーリーに自信がある人は0°から挑戦してみてね。どうぞ〜。
OSノーリー540°
○この技を習得する上で前提となる技術
・ ノーリー360°
やり方(レギュラーからOS方向へ540°)
@ 自然に体を進行方向に開き、ノーリーのために膝を落とし準備する。(なるべく深く)
A 150〜180°ピボットでまわす。
B
上半身を回転方向(背面側)に270°回すつもりで先行回転させる。
(振り向く感じで上体はそのまま維持)
C 後ろ足を回し蹴りの要領で引き上げつつ、ノーリーで跳躍。腰を引き上げる。
D 膝をできるだけ引き上げる。(胸に膝があたるくらいひきつける)
E 先行している上半身の向きに下半身が追いつく。(下半身を無理に回したりしない)
F 衝撃を膝で緩和しつつ両足で着地。(着地はトゥエッジで行うこと)
G レギュラー滑走。(なにもなかったかのように颯爽と)
OSノーリー540°をやる上で最初に大事なのは360°より多く回す意識を持って、回転を止めないようにすることです。
回転力とか、高さとかが出せないうちは360°以上空中にいられずに、落ちてしまうでしょうが、着地しててもいいので、上体をさらに捻って被せて体制を540°までもっていく練習をしましょう。360°の時にこれまではトゥで着地していたと思いますが、これをヒールに変えて、360°で着地していても、スライドでもう180°もっていく。
このように540°回ったときの体制をイメージして体に覚えさせておくと、実際に回転や高さが出たときに360°で体勢にブレーキをかけずに咄嗟に540°までもっていくことができます。
また高さを出すため、回転力をあげるために力んだりしがちですが、むしろ力は抜いて、動作で生じた力を殺さずに、無理なく生かすように心がけることで、成功確率はあがります。
☆コツと注意点☆他
高さや回転力を増やすにはどのようにしたらよいでしょうか。
どうすれば効率よく飛び、回転できるのか、それはいろいろ試す中で追求していくしかないです。成功方法に気がつくまでは、はっきりいって運の要素が大きいです。偶然回せたとしたら、その原因はなんだったのかを考えていく作業が必要です。これは非常に効率の悪い作業です。
本当はできる人に教えてもらうのが一番良いのですが、それができなければ技術誌やネット等で情報を集める努力も必要になってくるでしょう。考えて試す、考えて試すの繰り返しで上達していくしかありません。
しかしいくら偶然とはいっても、180°が100%できるレベルでなければ360°はできないのと同じで、360°が100%できなければ540°はできるようにはなりません。
偶然でも、教えられたことでも、技術として身に付け、ひとつひとつの技術の精度を確実にあげることが習得に必要となります。
以下に私が気づき試した成功例をいくつか挙げてみます。
○滞空時間を長くするための方法例
・トリックイン前の滑走スピードを早くする(速度アップ)→技術
・オーリー(ノーリー)でより高く飛ぶ(反発力アップ)→技術
・ちょっとしたギャップ、吹き溜まり、落ちをきっかけに飛んで飛距離を稼ぐ→タイミングと運
○回転力を強めるための方法例
・ちょっかりから、コンパクトかつ急旋回で回転に入る→技術
・板に積極的に回転力を与える→技術
・先行動作として180°を行う→技術
・遠心力を利用する→タイミングと運
もちろん、これらを複合的に組み合わせ利用していくこともできます。
360が100%回せるようになってくれば、かなり余裕で着地できるケースや回りすぎるケースも出てくると思うので、そういった場合に上記の方法例を試してもらえれば、回せる可能性が高くなるはずです。
上で紹介した「遠心力の利用」や「先行動作の180°」で回転力を付加したり、さらに不確定な要素ですが、ギャップ(ちょっと雪面が盛り上がっている箇所)なんかでタイミングよくノーリーがかかれば、より高く飛べる可能性もあるため、常に「運良ければ360°止まりでなく、540°まで持ってってやる」という意識、意欲を持って望むようすることで成功確率はアップするでしょう。
特にアプローチしやすそうな方法について説明をしたいと思います。
「遠心力の利用」を行う方法としては、斜滑降から一気にコンパクトに回すのがどのゲレンデでもできる方法です。
また大きなゲレンデではリフトから降りた後、フォールラインと逆方向に(山側方向へ)しばらく滑ってフラットなバーンにたどり着く形状のコースがあったりするので、その地形を利用し、逆方向から逆方向へ移るポイントで一気に回しこむと強い回転力が得られます。
遠心力が最大にかかっているポイントにタイミングを合わせられれば360°回すつもりで540°は軽く回ってしまいます。
また同じような条件としては林間コースから本コースに戻るような場所でもできるかもしれません。こういう地形のあるゲレンデに出会ったら是非試してみて欲しい方法です。
成功するためのポイントはタイミングとスピード調整です。
「先行動作の180°」は本スピンの前に先行動作として180°を回し、その回転力が体に残っているうちに、本スピンを行い、回転力の付加を狙う方法です。